活学新書 勝海舟修養訓 (活学新書 3)

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  • 致知出版社 (2016年3月22日発売)
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・人はギリギリまで追い詰められた時に、思いがけず閃くもの。実地に生かすことを可能にしたのが、ありとあらゆる困苦艱難。困苦艱難があってこそ、学んだことが生かされた。つまり、困苦艱難があってこそ、学んだことが生かされる。活学問になり得ない、単なる知識でしかない学問は、下手をすると奢りのもととなる。

・相場が下がったときに何を積み重ねていくか。力が貯えられ、人間に磨きがかかるのは、むしろこのとき。

・「捨ててかかる」「勝敗の念を度外に置く」「虚心坦懐」つまりすべてのこだわりを捨てて無心になり、かつ、大らかな心で挑むということ。現代に生きる私たちは多くのことにこだわりすぎている。守るべき信念へのこだわりは別として、たいていのことはそれこそいざとなれば捨てられるものではないか。こだわる心はストレスをも生む。やはり捨ててかかることは大切。

・「世のため人のため」とはよく言われることであり、また、人はそうあるべきだが、言葉だけが一人歩きしないよう努める必要がある。言葉にせずとも黙々と行い続けていれば必ずわかってもらえるときが来る。いえ、そのときが来なくても行ったということが大切。〜〜のためという思いがうぬぼれにならないためには、当然のことをしているのみだと自分を戒めることだろう。

・正心誠意とは、その意を誠にして心を正しくするという意味であるところから、私利私欲を度外視し、一点の曇りもない心で事に取り組むことと言える。常にこのようにあろうとするのは非常に難しい。自分の行動を少し離れたところから観察し、私心が見え隠れしていないか厳しく内省する必要がある。その努力なくして知行合一はあり得ない。行わないなら知らないのと同じ。結果どうこうより、それに向かって行動しているかどうかを断じている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2017年5月6日
読了日 : 2017年5月6日
本棚登録日 : 2017年5月6日

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