Thank You, Mr. Falker

著者 :
  • Philomel Books (2012年4月12日発売)
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感想 : 1
5

本書の著者Patricia Polacco氏の実話にもとづくお話らしい。

TrishaことPatriciaは、ディスレクシアなのかな?なかなか文字をつなげて読めない彼女は学校でバカにされ、転校先ではEricという男の子にいじめられもする。
が、Falker先生が根気よく励ましながら読み方を教えてくれる。そのおかげで、単語から文へ、文から段落へと、少しずつ意味を理解できるようになりました、という内容。

下手をすると教師によるありがた迷惑にもなりかねない出来事だ。なぜならディスレクシアという呪いを与えたのも学校だから。なぜそこまで読めというのか、という恨みに変わってもおかしくはない。
しかしなにより、Trishaが読めるようになりたいと強く望んでいる。だからこそ本書はいっそう胸にじんとくる。

祖父母の存在が大きい。
祖父は本に蜂蜜を垂らして味わわせ、
知識は甘い。知識はこの甘い蜂蜜をつくる蜂みたいなものなんだ。
と幼いTrishaに言う。

祖母はTrishaと星空を見上げながら言う。
星々は空にあいた穴だ。それは裏側からやってくる天国の光。いつか自分は、その光がやってくる”向こう側”へ行く。私たちみんながいつかあそこへ行く。草にしがみついてないと、地面から離れてあっちへ行っちゃうよ!

こうした肥沃な感性の土壌がすでに、Trishaの存在を支え、世界への好奇心を準備している。ここにいちばんグッときた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 絵本
感想投稿日 : 2022年5月27日
読了日 : 2022年5月27日
本棚登録日 : 2022年5月27日

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