上司の「いじり」が許せない (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社 (2018年3月15日発売)
3.45
  • (4)
  • (11)
  • (10)
  • (2)
  • (2)
本棚登録 : 132
感想 : 17
3

女性の作者により、主に女性特有の問題を取り上げた本。
職場とは言いながら、男性向けの問題の考察は少ない。
しかし、これは職場の実態を如実に示した形かもしれない。問題は、女性に対する、合理的な偏見にある。

同じ能力の男女をどちらか馘首しなければいけない。
2人とも、家族がいて、子供もいたとする。
女性には、夫の稼ぎがあると想像される。首になるのは、
感情面からも、経済的な観点からも、女性側だ。

なぜか。この場合の女性の労働が、ダブルインカムという
余剰な奢侈的性質を想像させるからだ。あるいは、趣味としての労働。いずれにせよ、生活のために保護しなければならない雇用としては、優先度が下がる。女性への偏見や差別の根幹にあるものではないだろうか。楽で良いとか、そんなに稼がなくて良いとか、賢くなくて良いとか。

女性一人で自らの生計を立てる人には迷惑な話だ。

働く女性を増やさなければならないのは、社会的ニーズ。この二つの要件を満たすためには、やはりある種の社会的了解事項が必要だろう。

この本から学ぶ事は少ない。
しかし、この本から考えさせられる事はあった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年4月27日
読了日 : 2019年4月27日
本棚登録日 : 2019年4月27日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする