知的トレーニングの技術〔完全独習版〕 (ちくま学芸文庫)

著者 :
  • 筑摩書房 (2015年9月10日発売)
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感想 : 7
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著者は在野?の思想家。
もともとは1980年!に「別冊宝島」として刊行されたものらしい。
40年近くにわたり読み継がれてきて、2015年に再編集した文庫版として再刊行された。
それを電子書籍で読むというのも趣深いものがある。

「知的トレーニング」とあるが、「独学」の指南書というか、自身を知的に鍛えるための心構えから実践的な方法論まで、幅広く語られている。
方法論と言っても、書かれた時代からして当然すべてアナログな手法である。
インターネットとパソコン・スマホによって情報探索・整理の手法が根底から変わってしまっていることについては、著者自身「文庫版あとがき」で触れている。

かといって古臭いかというとそんなことは無くって、現在でも学べるところは少なからずある。

何より、アウトプット志向が徹底している。
問い、分析し、考え、そして書くことでアウトプットする。

以下、学びとしたいところをメモ。

まずは発問。
問いは知的好奇心から生まれる。
知的好奇心は、知の空白部分から出てくる。
そのために、自分の知的マップが必要だ。

発問・発想を鍛えるには。
問いを分割して考察すること。
逆の問いを発すること。
街中で目に入ったデザインに対して「自分ならこうする」と考えてみる。
話している相手に自分を置き換えて、相手はこう言うだろうと予想してみる。

分析する。
分析とは見えない関係を見つけようとすること。
そのために、まず分解する。

文章を書く。
そのポイントは、文章は線である、ということを肝に銘じておくこと。
構想は、頭のなかで立体模型のかたちをなしていてもよいし、紙の上に図示されていてもよい。
けれども文章は、線型にしか進まない(言語の線条性)。
同時刻におきた事件を書く場合でも、文章ではどちらかを先に並べるしかない。
つまり、順序に並べる ─ ─ 「目次 」のかたちに変えるということが構成力トレーニングの眼目となる。
→これはブログの文章なんかを書いていると痛感する(最近はめったに書いていないが…)

おまけのTIPS。
普段から意欲を最高度の状態、やる気じゅうぶんの状態に保っておくためには、自分が興味のある分野で一流の仕事をなした人の伝記を読むことをすすめたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年1月6日
読了日 : 2017年8月9日
本棚登録日 : 2019年1月6日

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