家庭環境が過酷な子達とぼんぼんのおぼっちゃん三人の微妙な均衡によって綴られる三角関係の末の青春物語。
口が悪くて手足がすぐに出る美人の年上受け。あ〜〜凪良さんの好きなやつ。
ずるくてみっともなくて身勝手でどうしようもない人間模様を丁寧に拾い上げるさまは凪良さんの筆だなあという感じですが、なんというか、全体を通しての感想は可もなく不可もなく。
あんまり合わなかったな、残念という言葉に尽きる気がしてしまう。
凪良さんは合う合わないが自分の中で激しい作家さんですが、ちょっと色々相容れなかったなあ。
恵まれた環境にいた子どもだったから諏訪の抱えている問題にちゃんと寄り添えてやれなかった、と気づく高良はほんとうに優しい子なんだな。
諏訪の身勝手も真山のダメ男にふらつく人生も自業自得たいえばそれまでですが、『愚かでみっともなくてすぐにぐらつく』人間の危うさ、手に入れたものを壊してしまいそうで不安に怯える、という生々しさを描写していくのも凪良さんの作家性の特徴なんですよね。
そこも含めてすきな人は好きなんでしょうけど、なんか好みにしっくりこない物語仕立てだった。
しかし成長した高良のベッドでの完膚なきまでのスパダリぶりはおまえどこでそれを覚えてきたんだ感がハンパないですね。
真山先輩、いい男を捕まえてよかったね…。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年4月7日
- 読了日 : 2019年4月7日
- 本棚登録日 : 2019年4月7日
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