ことあるごとに読み返す本。
三谷幸喜が描くの「大人の絵本」のような物語だ。
秘かに想いを寄せる同期の女子と映画に行った夜、
一人悶々と思い悩むシチュエーションコメディ。
わずか10分あれば読み終わってしまう。
読むたび多くのことを学ぶ。
いや本当はいつも同じたったひとつのことを学ぶ。
なぜだろう。
いつだって同じパターンの失敗をする。
いつだって同じところで躓く。
分かっていても、またやってしまう。
どうしたって譲れない。
いつの日か反省したこと。
いつの日か直さそうと誓ったこと。
それなのに巡り巡って同じところに陥る。
でも繰り返される失敗が、
自分そのもののような気がする。
悲しんで落ち込んで涙が出ても、
それでいいんじゃないかと思い直す。
そこには確かに自分がいる。
これからもきっと同じ失敗をする。
なぜだと膝に手をつき、
地面を見つめる日がまたやって来る。
それでもいい。
人生は近くで見ると悲劇で、遠くから見ると喜劇。
そんな言葉を聞いたことがある。
喜劇なような悲劇を、悲劇のような喜劇を抱えて、
これからも目いっぱい生きていこう。
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- 感想投稿日 : 2021年10月22日
- 本棚登録日 : 2021年10月22日
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