これも、こんどのべてる本はどんなものか…と最初のところを読みはじめたら、結局そのまま読んでしまった。
ある事件で亡くなったべてるのメンバー竹内裕人さんのことが「青年の死」として書かれたあとに、「べてるの葬儀」として、竹内さんの葬儀のことが書かれている。ここを読んでいて涙が出てきた。
▼…告別式ではだれもが自分の中に詰まっている「短いけれども質の濃い思い出」を語っていた。その一つひとつに参列者の多くが「そう、それでね」とつけ加えたくなるものがあり、「だけどあの竹内君は」と、胸のうちを吐露したくなる光景が含まれている。葬儀が進むとともに竹内さんはやがて「もの静かなひとりの若者」という類型から、多彩なエピソードにつつまれ、独特の人柄とことばと人間関係とをもって「竹内裕人」を生きた、ひとりのかけがえのない青年として浮かびあがってくるのであった。(pp.97-98)
その人のことが繰り返し語られる、それがいちばんのお弔いだという気がした。
いいお葬式だなと思った。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
もらった
- 感想投稿日 : 2010年3月7日
- 読了日 : 2010年3月7日
- 本棚登録日 : 2010年3月7日
みんなの感想をみる