たんぽるぽる (短歌研究文庫)

著者 :
  • 短歌研究社 (2022年2月21日発売)
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本棚登録 : 284
感想 : 14
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シンガーソングライターの吉澤嘉代子さんのおすすめで読んだ本…解説も素敵でした。

ちいさな棘は抜けぬまま肉にめり込み、今も胸の奥に刺さったままです。きっとどこまでも深く深く、いつか私の一部となるでしょう。いえ、もう既になっております。

確かに私にもちくりと著者の著す世界の棘が、
私の肌にも、確実にその棘を残しました。

特に好きだったのは…章の扉にあった詩
ムーンせんべい。三日月、上弦、満月、十六夜など月の満ち欠けをかたどったせんべいが一箱に一枚入っている。どの形が入ってるかは分からず、新月として空っぽのこともある。その新月こそが当たりで、幸運を呼ぶんだそうだ。〜月の港の代表的なおみやげである。

…本当にこんなおせんべいがあったら素敵じゃない?あるのかな?あとでググってみよう。
『地球の恋人たちの朝食』の詩の抜粋とのこと。一気にこの本の著者に興味が寄った。

そして、短歌が始まった。
1首ずつ、声に出して口を動かし、詠んでみる。

逢えばくるうこころ逢わなければくるうこころ愛に友だちはいない

全身を濡れてきたひとハンカチで拭いた時間はわたしのものだ

あるときはお酒に強くある時は弱くてひとは自由なのです

うるいなくたのしく生きよ娘たち熊銀行に酒を預けて

歩道橋にのぼってさけべ願いごとは轟音に溶け込ませたら叶う

あの人と最も小さなものになり輝く管を流れてみたい

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年5月25日
読了日 : 2023年5月28日
本棚登録日 : 2023年5月25日

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