青い瞳のダミア (ハヤカワ文庫 SF マ 1-18 九星系連盟シリーズ)

  • 早川書房 (1995年10月1日発売)
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感想 : 5
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図書館から借りました

 SF。サイキッカー、宇宙もの。
 「銀の髪のローワン」の続編。
 ダミアはローワンの娘。

 原題は「DAMIA」。

 タイトルに異議あり。
 「苦労人アフラ」とか「緑の肌のアフラ」とかにするべきだろう。
 なぜなら、この本は676頁あるけれど、177頁までダミアは生まれてもいない。ずっとアフラ視点で、前の物語の舞台裏の説明がされているのだった。
 そして、ローワンに苦労させられまくったアフラは、ローワンの子たちの世話もする。
 ダミアもその一人。
 過労死しないのが不思議なぐらい、まめに働くアフラ。
 ダミアはアフラが大好き。
 二歳児だというのに快活すぎて、ローワンの手に余るため(テレポートもできるし、知恵も働くし、どこへでもいっちゃうし)、子供たちは父親の生まれ育った星に預けられてしまう。
 帰ってきたときには、ダミアは思春期の娘さんになっている。
 とはいえ、その長い時間にあっても、アフラはまめに様子を見に行く。子供たちの後見人であったから。(男だけど、ほとんど『乳母』のごとくに面倒みてたようだ
 アフラは自制に長けているので、親友たち(ローワンはもとより、旦那(能力者たちの親玉)のジェフとも仲がよい)の子供に手を出すわけに行かないので、完璧に自制。裸のダミアにオイル塗るのも、やってのける。
 ダミアが初体験のとき、相手を焼き切って(能力者同士だったため、下位だった恋人の精神を壊してしまったのだ)しまったときには、両親にばれないように相手を回収して治療の手配を。
 アフラに叱られるとすねて、ダミアは噛みついてひどい傷をおわせたりとわがまま放題して、逃げていく。
 母と娘、二代に亘って、えらい目にあわされているが、彼の危惧は「三代目の面倒を見る体力があるかなー」ということだった。お人好しというか、なんというか。
 ローワンのせいで、ずるずると結婚しないままのアフラ。

 ダミアとアフラがくっついたときには安堵した。
 ああ、これでアフラの苦労は減るはず、と。
 でも、この本の主役は絶対、アフラ。 

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: SF・ファンタジー
感想投稿日 : 2011年5月29日
読了日 : 2011年5月29日
本棚登録日 : 2011年5月29日

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