図書館から借りました
ファンタジー。
学術書っぽいが……どこに分類すべきか?
原題「La botanica parallela」
絶版、ではないだろうけれど、大きな本屋にも置いてなくて、取り寄せになるみたいです。(ちくまの目録には記載あるので買えるはず)
図書館で予約して借りました。
それは、黒い植物の学術書。渾身の、本当のような嘘の学問。(植物界に『黒い花』はないらしいことからこの色が選ばれたのだろう)。
時間と存在が切り離された、植物。触れたら、もろく壊れ去り、特殊な写真にしか映らず、色んな伝承を遺している。
幻想的。
形の奇異さより、その存在がたまらなくいい。その伝説が。
月光の中でしか浮かび上がらない、ツキノヒカリバナ。
遠近法を無視した時空にいるフシギネ。(遠くからみても、近くから見ても大きさが変わらない)
『植物であるまえに言葉だった』、夢見の杖。
ああ、この植物。レオ・レオーニ(個人)の創作であることが嘘のように、なんて厚い設定があるのか。
この植物を自分の作品に使いたくて、うずうずします。
一見の価値あり、とはお勧めはしません。(ぇ
ここまで褒めたけれど、本として楽しめる人は多くはないと思うのです。
(人気があったなら、図書巻で取り寄せた本が第一刷で、本屋には見当たらない、ということはないだろうから)
私も本として楽しんだわけではないのかもしれず(↑十分楽しんでるか?)、ちょっと読みにくいところはあるのですよ、やはり。
この書物は、無夜が構築する世界の補完に。
相対性理論の理解の手助けに(私はなったが)、しちゃったのです。
- 感想投稿日 : 2011年5月29日
- 読了日 : 2011年5月29日
- 本棚登録日 : 2011年5月29日
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