嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん5欲望の支柱は絆 (電撃文庫 い 9-5)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス (2008年5月10日発売)
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本棚登録 : 1406
感想 : 72

 推理小説としてはそれほど…。みーくんの性格描写としても今更感で…。
 一方、サイキック・ホラーとしては1巻には及ばないなぁと。

 恐怖は日常との落差の幅と突然さなんだが、推理小説風の舞台設定がその恐怖をかえって減殺している。
 また、元々本作は、著者好みの台詞回しと一人称語りの中身のために、日常性が脱色されている。
 そうなると本件の場合、日常との落差がさほど大きいとは見えず、そんなに怖いかぁと。

 とはいえ、精神的に壊れ、かつ歪なプロセスを経た人間像を描こうとする試みは、小説の方向性としては悪くはない。
 そうなると、再度、上巻たる4巻を含め再読したら、印象が変わるかもしれない。その意味で再読しても良いかなぁという気にはなった(いつになるか判らんが)。
 古本屋に売れない……。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2016年12月18日
読了日 : 2016年12月18日
本棚登録日 : 2016年12月18日

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