下ネタという概念が存在しない退屈な世界 (9) (ガガガ文庫)

著者 :
  • 小学館 (2015年6月18日発売)
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本棚登録 : 54
感想 : 3

ネタバレ ディストピアを経ないユートピアはない。性の渇望というディストピアを経過して初めて、性=命の降臨への敬虔さを多数が共有するユートピアに行き着くことができる。性行為による妊娠出産で誕生したが故に親からは見捨てられ、辛酸を舐めた「敵」の理念がこれである。それは狸吉らと目指すべき未来は共有しうるのに、過程は絶対に相いれない。◇その一方で、愛・恋という感情は、実は下ネタ・性と地続きにあるものと意味づけようとする本作。ならば、愛・恋にも渇望という環境が必要?。◆この開示された世界観に単純な善悪は確定できないだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2017年1月24日
読了日 : 2017年1月1日
本棚登録日 : 2017年1月1日

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