2011年刊。
「タックス・ヘイブン」(本書と真逆の徴税側からの資産フライト分析本)等を既読済みで、本書内容に新奇さはないが、富裕層たる人々の日本国へのディスパイズ・インサルトがプンプン匂ってくる逸品だった。また、ルール違反で現金を持ち出している富裕層はどしどし処罰すべき(三倍賠償的な懲罰的加算税を課してもいいはず)だとは同感。
一方、海外投資など、責任保障が全く期待できないシステム、情報公開も怪しい投資先をそのまま信用し、資産を海外に移転させているとは、流石にカモになるだけなのではと別の意味での心配をしてしまった。
なお、東京電力の処理への著者の批判はご尤も。
とはいえ本書が論じるメインターゲットはどこにあるのか。富裕層擁護本にしては???とも感じるところ。本書の内容を敷衍させても、累進緩和、減税擁護になっているとは到底思えないが……。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2017年1月24日
- 読了日 : 2017年1月24日
- 本棚登録日 : 2017年1月24日
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