資産フライト 「増税日本」から脱出する方法 (文春新書)

著者 :
  • 文藝春秋 (2011年10月19日発売)
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本棚登録 : 282
感想 : 46

2011年刊。
 「タックス・ヘイブン」(本書と真逆の徴税側からの資産フライト分析本)等を既読済みで、本書内容に新奇さはないが、富裕層たる人々の日本国へのディスパイズ・インサルトがプンプン匂ってくる逸品だった。また、ルール違反で現金を持ち出している富裕層はどしどし処罰すべき(三倍賠償的な懲罰的加算税を課してもいいはず)だとは同感。
 一方、海外投資など、責任保障が全く期待できないシステム、情報公開も怪しい投資先をそのまま信用し、資産を海外に移転させているとは、流石にカモになるだけなのではと別の意味での心配をしてしまった。
 なお、東京電力の処理への著者の批判はご尤も。

 とはいえ本書が論じるメインターゲットはどこにあるのか。富裕層擁護本にしては???とも感じるところ。本書の内容を敷衍させても、累進緩和、減税擁護になっているとは到底思えないが……。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ノンフィクション
感想投稿日 : 2017年1月24日
読了日 : 2017年1月24日
本棚登録日 : 2017年1月24日

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