イラン出身でフランスで活動している漫画家、マルジャン・サトラピの作品。親戚の演奏家をモチーフにしている。
イランの伝統弦楽器タールの奏者の男が、妻に大切にしていたタールを壊され、生きる望みを失う。死を選んだ男の、最後の8日間が描かれた作品。
濃厚に漂う死と絶望の雰囲気が、悲しくも心地よい。徐々に明らかになる彼の人生の空しさに、心を射抜かれました。家族とのギクシャクした関係も生々しくもリアル。
モノクロで表現されるマルジャン・サトラピの絵の雰囲気が素晴らしい。自身が監督して実写映画化しているようだが、『ペルセポリス』のようにアニメ作品にしてほかった。
今後の作品が楽しみな作家です。
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- 感想投稿日 : 2020年12月21日
- 読了日 : 2015年6月11日
- 本棚登録日 : 2020年12月21日
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