文庫 自分の「異常性」に気づかない人たち: 病識と否認の心理 (草思社文庫 に 3-2)

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  • 草思社 (2018年12月5日発売)
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自閉症スペクトラム症の範疇にアスペルガー障害(知識障害を伴わない)等の発達障害と、知識障害を伴うもの広汎性の発達障害が統合された問題点の提起。
・空気が読めない
・不思議ちゃん
等はの本来個性の範疇であるべきケースを闇雲に精神科医療の世界に組込み兼ねないお節介と著者は考える。

『憂慮すべきは、アスペルガー障害とは診断できないレベルの人が、社会復帰との摩擦から、自分の大切な個性を異常と見なしてしまうことである。』...第7章「悪気がない」という異常性より

統合失調症、認知症等、脳神経細胞の発達、萎縮により通常と違っている症例について、DSMにあてはめて少々アカデミックな内容であるも実例を挙げてわかりやすく解説されている。

重症軽症にかかわらず自分でその行動の異常性を認識しているかどうかという視点に基づいて記述されており、認知症等は寧ろ認識していない方が本人にとっては余生を考える上では非常に大切なことと綴る。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2020年9月20日
読了日 : 2020年9月20日
本棚登録日 : 2020年9月20日

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