著者は幼時の一時期、母とともに実際にサーカスで生活していた経験から、大人になった今、当時の団員にインタビューをする。
サーカスの「中の人」の生の声が興味深い。
自分の意志でサーカスに入った人、生まれた時からサーカスで育った人、どちらもサーカスでの生活のいいところ、そうではないところを考えながら生きてきた人生なのだろう。
短期間での転校を繰り返さざるを得ない教育環境や、子どもの教育を考えてサーカスを出て行く決断をすることなど、家族ぐるみの仕事だからこその悩ましさなども、当事者たちの言葉がリアルに胸に響いた。
私も子どもの頃、何度か見に行ったことのあるサーカス。
子ども心にも、その「ハレ」と「ケ」がくっきりわかれている空間に、郷愁めいたものを感じていた。
本書を読んで、その理由の一端がわかった気がした。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年7月21日
- 読了日 : 2023年7月21日
- 本棚登録日 : 2023年4月21日
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