難解な物語で、半分も理解できていない気がするけれど、奇妙な世界観に最初から最後まで惹きつけられっぱなしだった。最初の数分観た段階で「この映画に出てくる人は皆ちょっとズレてるな」と戸惑った。ピンキーは子どもっぽい間抜けな言動をとるし、ミリーは仕事のできるサバサバ系お姉さんなのかと思いきや、周囲に疎まれていることに気付かず独りで喋りつづけるナルシスト。でもミリーが「私は間違って生まれた子なの」と出自について語り出し、「自分は計画的に生きるのだ」と黄色に統一されたインテリアを自慢するシーンは、強気に生きてきたミリーの内面にある傷を物語っているようで印象的だった。ところがその場面でピンキーは着替えに夢中でミリーの話を全く聞いていない様子である。後にミリーがピンキーの両親が抱き合って眠るのを目撃してしまうシーンがあるが、この二人は生まれ育った環境があまりにかけ離れているためにどうしても分かり合えない部分があるのだと思った。……そこで、事故である。ピンキーは記憶障害を起こし、ミリーの人格が乗り移ってしまう。この先の展開と、三人目の女ウィリー、そして随所に表れるプールの解釈については謎が多すぎて理解ができなかった。とにかく不安を煽ってくる映画。
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- 感想投稿日 : 2016年12月23日
- 読了日 : 2016年12月22日
- 本棚登録日 : 2015年12月11日
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