みどり町の怪人 (光文社文庫 あ 72-1)

著者 :
  • 光文社 (2023年1月11日発売)
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感想 : 9
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Amazonの紹介より
一見、ありふれた日常が流れる、どこにでもある小さな郊外の町、みどり町。
ただある一点、「怪人がいる」という“非日常”を除いては……。
時は1990年代初め。奇妙な都市伝説の裏には、未解決のまま20年以上が過ぎた凄惨な母子殺人事件が隠されていた――。



不安に陥った時、「怪人」の噂によって、気分を逸らし正当化しようとする心の揺れ動きが、共感する部分もあり、丁寧に描かれている印象でした。

不安に駆られる部分はホラーながらも、後半は温かさが残りました。

どの噂も、ほぼ嘘で塗り固められたに過ぎないのですが、まさか最後に「怪人」の真実が出るとは驚きでした。

未解決の殺人事件の真相、犯人による贖罪が、最後に描かれていて、一応読者だけが真実を知っているということで、幕は閉じられるのですが、スッキリ感と共に、何とも言えない焦燥感・切なさも込み上げてきました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2022年1月
感想投稿日 : 2023年5月12日
読了日 : 2023年1月22日
本棚登録日 : 2023年5月11日

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