俺は、君のためにこそ死ににいく [DVD]

出演 : 岸惠子  徳重聡  窪塚洋介  筒井道隆  多部未華子 
  • TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
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本棚登録 : 181
感想 : 29
4

石原慎太郎が脚本を手がけた映画。
特攻隊の基地があった知覧の特攻隊員と、その近くにあった食堂の鳥濱トメとの物語。
冒頭は特攻隊の生みの親である大西瀧治郎中将が特攻作戦決行するシーンからはじまる。
「特攻は志願ですか?命令ですか?」という部下からの質問に大西は、「志願という名目上の命令だ」という。ただし、これは犬死などではなく、日本が米国に支配されないように、植民地にされないようにと、日本が精神の国であること、また、国のために散っていった若者がいることで今後の日本が奮い立つことを期待していた。

鳥濱トメは知覧で「富屋食堂」を営んでいるひとで、特攻隊員の面倒をよく見ていた人。特攻隊員と一緒に移っている写真もある。
明日には、250kgの爆薬と、片道しかない燃料を積んで、敵空母へ体当たりして往く若者たちの姿に鳥濱トメさんは辛かったことだと思う。

戦争が終結し、大西は自決する。「楽に殺してくれるな。介錯はいらぬ。」と言い、長い苦しみのなか息を引き取っていったという。。
死んでいくことで責任が取れるものもあれば、生きて責任をとる手段もあったのではないか?と思う。自分が送り出した隊員の遺族に恥を晒して、蔑まれ、罵声を浴びられ、最後まで生き抜くという、そういった責任の取り方もあったのではないか?
それとも、立場上、終戦後は裁判で死刑判決になってしまうことから、自決を決めたのだろうか?

今でも日本という国が残っていることが、若き特攻隊員たちがいたことによるものかわからない。わからないが、そうであったと信じたい。

この作品のどこまでが本当なのかはわからない。。
だが、特攻隊が存在したことは本当であり、現代の日本男子にそれができるとは思えない。彼らは今の日本をみてどう思うだろうか?
石原慎太郎はそれを伝えたかったのだろうか?
でも、わたしは「日本という国が残っている、それだけで良い」と言ってくれそうな気もする。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 戦争
感想投稿日 : 2012年12月23日
読了日 : 2012年12月22日
本棚登録日 : 2012年12月23日

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