テーマは自分の好物だが、どうも、80年代的冷笑的スタンスが鼻につく。
それは漫画という形式とあいまって、より強くみえているのかもしれない。
終わりの、文章のほうがまっとうだ。
こうした社会的問題の取り上げ方では、取材者と対象の距離感というのが最も大事である。
本書は媒体の性格もあるが、基本的に突き放して、対象をクレイジーなものとして捉えている。
もちろん大手マスコミのような珍奇な見方ではない、そこにはそこはかとない共感も垣間見えるが、やはり強度をもつまでにはいたらない。
東京タクシードライバーのような、一人ひとりの生の声と向き合う方がおれは好きだ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2019年11月10日
- 読了日 : 2019年11月6日
- 本棚登録日 : 2019年11月6日
みんなの感想をみる