MUSIC

アーティスト : フジファブリック 
  • SMAR
4.34
  • (68)
  • (49)
  • (19)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 425
感想 : 25
5

フジファブリック、メジャー5枚目のアルバムです。志村正彦さん他界後のアルバム、彼が遺した最後の音楽が、歌声が、ここにある、という意味では、とても大切なアルバムです。前作「クロニクル」が、個人的には最高傑作なのですが、このアルバムも、やっぱり、良いですね。本当に、本当に、魅力的な人物だったのです。志村正彦という人物は。一生、聴き続けるんだろうなあ、このアルバムもなあ。

「僕は君じゃないのに」
は、ピアノメインだからか?なんだか、凄く、槇原敬之さんの曲のイメージを感じる、、、何故だろうか。不思議です。志村さん、槇原さんの曲、好きだったみたいですし。著書に少し、槇原さんの事、書いておられましたものね。あと、メインになってるであろうピアノのメロディーは、ちょっと、ポール・マッカートニーの「ロング・アンド・ワインディング・ロード」っぽい気もする。志村さん、絶対、ジョン派だと思うのですが、ポール的曲も書くんだね、と、思った次第。

「wedding song」
は、ビックリするほどに、どストレートな結婚式用の歌。ホンマに、圧倒的どストレート。志村さん、ここまで直球投げるか!?ってくらい、ホンマにウエディングソング。でも、志村さんが、本当に大切な友人的ポジションの人の結婚式を、お祝いする、ってなったらね、そらもう、こんだけ直球投げますよね。野球少年だぜ。最初は、「わかりやすすぎる、、、」と思って、ちょっとイヤだったんですが、聴きこむうちに、これは、圧倒的に正しい、って思いました。自分にとって大切な人が結婚する時に、届けたい曲は、絶対に、こういう感じでないと。ホンマ、志村さん、ええ人やなあ。最高やね。って、思います。

「パンチドランカー」
は、多分、多分ですが、志村さんから、ザ・イエローモンキーというバンドに対しての、いちファン的尊敬ソング?とか思った次第。だって、タイトルからして「パンチドランカー」だし。「メカラウロコ」って単語もあるし。もちろん、自分たちへの圧倒的な自信もあるだろうし。俺たち、すっげえバンドなんだぜ、っていうね。ロックンロールってこういうことですなあ。志村さんは、やっぱ、ギターはフェンダー・テレキャスターが、いっちゃん好きなのですかねえ?

「眠れぬ夜」
が、最後というのは、もう、狙ってますね。でも、その狙いが、最高です。うん。最高。この曲が、ずっと前から存在していたのに、以前のアルバムには収録が見送られ続け、そして、このアルバムの、最後に、収録されることは、やっぱ、不思議な縁を感じますね。「嫌がられるほど 全て さらけだしたい」というのは、本当に、表現者としての最高の願望なんだろうなあ、と。

曲中、歌詞カードには記載させていないのに歌われている、最後の方の歌詞。
「悲しまなくてもいい」
は、志村さんがいなくなってしまったことに対して、どうしても悲しんでしまうであろうリスナーに対して、志村さんが優しく呼びかけてくれているように感じてしまいました。

曲が終わった後の志村さんの呟き。
「けっこういいんじゃないかな、うん」
は、普通だったら、製品化された作品では、まずカットされるであろう部分でしょうが、敢えてここをいれた。素の志村正彦、という部分をリスナーに感じられるようにした、という意味で、製作者側の素晴らしいファンサービスだなあ、とか、思った次第です。

そういった、特別に感じる言葉の部分も含めて、こう、最後の最後まで、本当に素敵な人だったんだなあ、志村さんは。そう、しみじみ、思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年12月4日
読了日 : 2017年12月4日
本棚登録日 : 2017年12月4日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする