【MM260 mylibrary 2009/7/29】
本日ご紹介の一冊は、こちらです。
大塚寿著『職場活性化の「すごい!」手法~モチベーションを一気に高める48の処方箋』(PHPビジネス新書、2009年)
タイトルのとおり、職場の活性化を図るために有効な手法を大きなものから小さなものまで紹介しています。
まずは冒頭で元気のない職場の共通するサインを示しています。
元気のない職場に共通する“17のサイン”
職場に関して、あなたのまわりでこんなことが起きてはいないだろうか。
・そういえば、最近オフィスが静かになった
・同じフロアの人間にもメールで連絡する
・社内でもっとも活性化している場所は喫煙室だ
・指示や想いが相手に伝わらないと思うことがある
・社員も管理職も含めて、他人を気遣う人が減った
・人と人との“かかわり”が希薄になったと感じる
・ランチタイムは自分の席で弁当を食べる人間が増えている
・派遣社員大塚○子さんを「派遣さん」と呼ぶ
・「○○君×××やっといて」などと管理職の指示が短い
・会社の人間と飲む機械が減った
・自分で考えず、指示がないと動けない社員が増えている
・新人は「やりたいこと」に固執し、「すべきこと」の意識がない
・若手が年長者に対しても「うん、うん」と返答している
・若手社員がすぐ辞める
・年々新人のレベルが下がっている
・うつ病で休職する社員が珍しくなくなった
・なんか職場が元気じゃない
これら17項目のうち10項目以上があなたの職場にあてはまっていたら、職場の健康状態に「要治療」のサインが灯った状態だと
いうことですが、みなさんの周りではいかがでしょうか?
さて、職場の雰囲気は、沈滞しているより、元気があって活性化しているほうがいいに決まってます。
そのあたりに関して著者は、以下のように語っています。
「職場の活性化を望みながら、その具体的方法がわからず手をこまねいている人が少なくないのではないだろうか、という考えが頭に浮
かんだ。職場活性化の方法を一冊にまとめれば、そうした悩める人の一助になるのではないか」
「『方法は数が勝負』というのが私の持論だ。なぜならどんなすばらしい方法であっても、それが自分には『できないこと』だったらな
んの意味もなくなってしまうからだ。方法の数が多ければ多いほど、その中に『できること』あるいは『これならやれそうだ』と思える
ことに出会う確率が増える。」
「自社の業態や職種、風土に合致しそうなものを取捨選択し、採用しやすいものから実践し、明るく楽しい職場づくりに役立てていただ
ければ幸いである。」
それでは、「Ⅰ あらゆる職場を活性化させる『すごい手法10』」の中から、1つご紹介します。
1 職場を「売り場」だと考える
「職場づくり」を「売り場づくり」と考えれば、アイデアはどんどん湧き出す!
何をもって職場の活性化というのかは、なかなか難しいものだ。
そもそも、なぜ多くの人が「職場づくり」と聞いて思考停止状態になるかといえば、自社や自分の所属する部門だけから発想しようと
するためだ。現実にとらわれてしまい、発想が広がっていかない。
そんなときは「職場づくり」を「売り場づくり」に置き換えて発想すると着想しやすくなる。つまり、「すごい売り場」をヒントに、
自社の職場活性化ができないかと考えてみるわけだ。
最も元気のある売り場からどんなヒントをが得られるだろうか。次の3つの共通点が見られる。
①開かれている
②エンターテイメント性が高い
③カオス状態である
以上の共通点から、活気ある職場づくりのために多くの示唆を与えてくれる。
“開かれた状態”を職場に応用すると、社長室の扉を常に開いておくことで、「風通しのよい職場」をつくるという施策が考えられる。
たとえば、役員が役員室ではなく大部屋に机を持つとか、すべての情報を社員が共有できるシステムとか、工場が地域住民に開かれて
おり、家族を含めた年中行事が行なわれるなどといった方法が考えられる。
今日問題となっている社員の“タコツボ化”を防ぐための方策も、職場を“開かれた状態”にすることから解決の道筋が生まれるので
はないだろうか。
エンターテイメント性、つまり“おもしろい”“楽しい”状態をいかにつくりだすかが、職場活性化のキモとなることは直感的に同意
していただけるだろう。そこを目標に諸策を講ずればいいのである。
“カオス状態”は、実は現在、多くの職場に求められている。カオス状態の反対は「同質性」になるが、この同質性ゆえに思考停止状態
になったり、反論を認めない風土が現場のやる気を削ぐ例が数多く起こっているからだ。
強い企業の採用でも多様性を重視していた。今日でも元気のいい会社や職場を見てみると、どうもこの多様性、カオス状態という共通
項が浮かび上がる。
これらはあくまで一例であり、あなたも身近な「売り場」をよく観察してほしい。必ず職場活性化のヒントが隠されているはずだ。
そのほか、著者の想いは、こういう1文にもああわれています。
職場の100%の個々人がみな“職場の活性化”を望んでいながら、集団となるとそれぞれの事情から集団的無責任になってしまう。
なぜなら、みな目の前の業務に忙殺されていて、職場の活性化など二の次だからだ。(中略)だからこそ、これからの職場活性化には
担当の部門もさることながら、より多くの人員に当事者意識を植えつける仕組みがキモとなってくるのだ。
あとがき
「職場活性化についてさまざまな具体策を紹介してきたが、どうもその真ん中にあるものは“人と人とのかかわり”もしくは“かかわ
り方”といえそうだ。」
それ以外の手法として、このようなものを進めています。このご時勢、そのまま採用することは難しいものもありますが、経費をかけ
ず、手軽に始められることもあり、沈んだ職場のムードを何とかしたい!と思っている皆さんにとっては、救いの一冊になるかもしれま
せん。
「“言葉の嵐”作戦」「家族を巻き込む」「採用は地方高校の生徒会長を狙え」「勝手にメンターシップ制度」「1日5質問」「ハチマ
キ効果」「他流試合制度」「飲ミュニケーション予算」「勝手にクラブ制度」「ポジティブイリュージョン」「攻めの報連相」「希望と
兆しのマネジメント」「やまびこあいさつ」「社員図鑑」「Z旗」「個食禁止」「周年行事戦略」「ミニパーティー」などなど。。
「方針が伝わらない」なら「エピソードで語る」
「イベントが盛り上がらない」なら「小道具を使う」
「部下が伸び悩んでいる」なら「ポジティブイリュージョンを活かす」
・・・など、48の「すごいワザ」教えます!
はじめに
Ⅰ あらゆる職場を活性化させる「すごい手法10」
Ⅱ やる気を引き出す「すごい制度8」
Ⅲ 人がみるみる育つ「すごいマネジメント11」
Ⅳ こんなやり方があったのか!「すごい職場づくり12」
Ⅴ 元気な会社の「すごいイベント7」
あとがき
http://tinyurl.com/mmtp2y
- 感想投稿日 : 2011年12月19日
- 読了日 : 2009年7月22日
- 本棚登録日 : 2011年12月19日
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