四丁目の夕日 (扶桑社文庫 や 4-1)

著者 :
  • 扶桑社 (1999年12月1日発売)
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本棚登録 : 406
感想 : 53
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何度も読むものでもないが軽やかに始まる前半を何度も読み返してしまう。キチガイになる前に彼はハッキリとわかっていたのだ。この世に「差」があり自分がその低い側にいることを。それは競争というような牧歌的な話ではなかった。人間に挟まれて生きる僕らは、そんな平和な生き方をしていない。改めて何が幸せで何をして生きるのかを問うことになる。そしてこれを読んでしかその生き方を噛み締められない自身に何か引っかかりを感じながらも、やはりこれは生涯心に残る傑作だと思う。世の中の99.99%の共感は得られないはずだが、この作品を持って自分は漫画が好きだと思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年5月19日
読了日 : 2023年5月19日
本棚登録日 : 2023年5月14日

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