審査委員や方法について候補者であった丹下健三が一枚噛んでこともあり、出来レースと呼ばれていた新宿副都心に建設予定の都庁舎コンペに取り組む磯崎、丹下の様子を彼らの背景や芸術的な尺度を紹介しつつ書き表した本。磯崎が師丹下の元を離れて独立してからも、丹下の建築に対する考え方が自分の中に染み込んでいることを実感させられていたこと、政治、建築業界での評判といった、建築士の技能ではコントロールできないところで建築士たちが活躍できるか、あるいは晩年の丹下のように浦島太郎状態になるかといった社会の面倒臭さといったところが特に印象に残った。磯崎自身は言葉を大事にする芸術家であり、彼が著わした本は50冊ほどにのぼるとか。
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カテゴリ:
建築
- 感想投稿日 : 2014年4月24日
- 本棚登録日 : 2014年4月24日
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