江戸藩邸物語: 戦場から街角へ (中公新書 883)

著者 :
  • 中央公論新社 (1988年6月1日発売)
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感想 : 11
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江戸前期、水戸藩傍系の守山藩が記した日記は、藩の公式記録として興味深い。また、幕臣・天野長重が著した思忠志集などの記録は、一武士の記録として微に入り細を穿つもので、当人のマメさを感じる。本書は上の二つの記録を中心に、藩邸を巡る江戸の面白さを伝えてくれるもので、時代小説を読む上でとても参考になる。時間の大雑把さとそれを守らせようとする管理職側、真の意味での鞘当とその後の斬り合い、藩邸の独立性、男色、武士に対する町人の強さなどを知った上で、また時代小説を読み進めたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 人文科学
感想投稿日 : 2017年8月28日
読了日 : 2014年9月3日
本棚登録日 : 2017年8月28日

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