青い春を数えて (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2021年7月15日発売)
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本棚登録 : 878
感想 : 49
5

いい本だ。

一瞬安っぽそうな表現が多いと思ったが、感情を正確に捉えられているし、その感情に至るまでの出来事も自然に進められている。とてもしっかりした小説だった。

様々な感情が湧き上がってくる青春というジャンルを扱っていながら、物語ごとに1つのテーマが明確に定められているので読みやすかった。
大人の視点から冷静に読むとしょうもないただの高校生活の出来事が描かれているのに、感情移入が出来てしまった。

例えば、
「ブルーライトはもはや我々の親友であり、戦友だ。」
みたいな表現は、大人の視点ではしょうもないけれど、これに納得できるように描かれている。

作者の年齢は若いけれど、物語づくりの基礎は出来上がっているので、若者言葉の安直な表現でも感情移入できて、心を動かされた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年1月17日
読了日 : 2022年1月16日
本棚登録日 : 2022年1月8日

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