読書っていうのは旅なんだよな。作家の力量でポイと未知の真っ白空間に放られ、読む側は、ここはどういう所で、どういう人達が生活していて、何が起こっているんですか?と探索してゆく。単純なことのように思えて力量がないために、やたら説明ばかりの小説もあるけど、久々に「シンプルでいて、とりとめのない異物」を手に取ることができ、歓びを感じる。この作家も民族的な抑圧であちこちせざるをえなかったみたいですが、そういう人は浮遊する足場のなさの恐怖、風が吹いてもけしてとばされまいという信念、そういった心理が表れていて惹かれる。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年2月3日
- 読了日 : 2019年2月3日
- 本棚登録日 : 2019年2月3日
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