密告者

  • 作品社 (2017年9月28日発売)
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感想 : 3
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1941年にアメリカが提唱したブラックリストとは枢軸国側への協力が疑われる者の資産を凍結、収容所送りを決定する物であり、コロンビアでも150名リストに載った人がいた。
本編は父親の密告により離散してしまった家族を巡るドラマ。密告を「なかったこと昔のこと」として事故で死んでしまった父親、ジャーナリストの息子、生き字引として生き、交流のあった父の知り合いの女性側から描かれる。

歴史として知るべきだ、世間は思う。しかし物事は多面性があり、誰もが納得のいくような歴史の描かれ方は不可能であり、どうしても片寄った報道になる。

最後に離散一家の主と密告者の息子の対立。ハッキリ口には出さないが、被害者は思う。この歴史は私達家族の物だ。お前なんかに利用されて旨い汁を吸われて堪るもんか。
私達が耐え抜き生きてきた人生を、お前の手によって壊されて溜まるか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2018年9月8日
読了日 : 2018年9月8日
本棚登録日 : 2018年9月4日

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