血食: 系図屋奔走セリ (講談社ノベルス モG- 1)

著者 :
  • 講談社 (1999年5月1日発売)
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感想 : 6
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姓と家紋でその家の出自を当てるという妙な商売、系図屋を生業にする忌部の元へ訪れた物集高音。そこへ現在調査依頼を受けている野木由春の後見人という人物、市来が怒鳴り込んでくる。即刻調査を中止せよと。市来をけんもほろろに追い返すと、忌部は物集を引き連れて蕎麦屋へ赴いた。
野木由春の父、俊助の本籍は兵庫県津名郡だが、紀伊大島が生地だと亡父から聞いた由春はその真偽を調べて欲しいと忌部に依頼をしていたのだった。
大島役所からは、その人物の戸籍無く、野木家の家紋が『丸に三本梶』という。三本梶=諏訪梶であるため、淡路島にしろ紀伊大島にしろ野木家がこの諏訪梶の家紋というのは解せない。そこに何か秘密がある――そう結論づけた忌部は嫌がる物集を引き連れて紀伊大島へ向かった。赴いた屋敷で彼らは、滅多切りにされた死体と自殺と思われる死体。そしてノルマントン号の木片を見つけた。


時代は昭和3年。レトロ風味はありますが、ちょっととっつきにくい感じかな。で、忌部がかなり薀蓄たれ。全く面白くないわけじゃ無いが、理解しにくい。てか、ややこしい。家紋の話だからかなぁ。どうもイマイチ理解出来なかった。
ノルマントン号の座礁事件と絡んで行くのだが、事件自体は妙に遅々としてて、なかなか進まない。なので途中で読むの挫折しそうになった(笑)
時代背景が昭和初期なので、その辺りの言い回しがとっつきにくいという所為もあるかも。
綺麗に巧く嵌って行くのだが、忌部の薀蓄に振り回されてる感じがしてならなかった。うーん・・・もう少しテンポ良かったら面白いんだけどなぁ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2004年
感想投稿日 : 2004年3月28日
読了日 : 2004年3月28日
本棚登録日 : 2004年3月28日

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