マッチング・アプリ症候群 婚活沼に棲む人々 (朝日新書)

著者 :
  • 朝日新聞出版 (2023年6月13日発売)
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感想 : 7
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マッチングアプリに潜むとてつも無い依存性がとても伝わり、共感した。アプリを利用している期間が長いと感じた人は一度読むべき一冊だと思う。本書では筆者の体験から語られる幾つもの”マッチした事例”の詳細がある。

すでにアプリを使用している読者は2つの視点から本書を活用できると思う。

一つ目はなぜこんなにアプリを辞められないのか、いわゆる拗らせている原因が知りたい。これに関しては様々な事例が述べられるので必ずどこかで自分に当てはまる(マッチする)内容があると思うのでそこで明らかになるだろう。案外自分も当てはまることがあった。それにこれまでにマッチした人もこうゆうことだったんだろうなあと落ちることが多々あった。

2つ目は現在の自分のやり方が一般的にみてどうなのか知りたい。
実際マッチングアプリには、マニュアルもなくやり方は全てユーザーに任されている。そのため、自分は相手に対してのアプローチが一般と比べてどうなのか、”やりすぎ”もしくは”奥手すぎ”ないかを測るものさしがないことに戸惑っていた。だが、この本書で語られる膨大な量の男性や女性の事例を見ると少しは感覚が掴めるかもしれない。


最後にこの本の個人的な感想を以下に述べる。
筆者本人と、それにマッチした人はほとんどが中年であること。おそらく30後半〜50後半が全て。これに関しては20代には全くハマらない内容だった。マッチした人として語られるのはほとんどがバツイチ子持ち、あるいは童貞。そもそもの背景が違いすぎて、こんな拗らせ可哀想だなあぐらいにしか思えなかった。だが、アプリの本質は年齢に関係ないことも分かった。結局いいねをもらえる人、その後幸せな状態になるまでにはこれはダメという考え方は変わらないということだ。

最後に一言述べるなら、この本を読もうと思った方は、すでに症候群を患っている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年7月11日
読了日 : 2023年7月11日
本棚登録日 : 2023年7月11日

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