山形の農村の美しさがホントに印象的。
田舎外から農業体験に客として来た主人公タエ子の目線を通して、観客も新鮮で好意的な目線で山形を感じることになる。
はっとしたのは、村落を観ながらギバちゃんが言った言葉。
「この景色も人間が作ったんですよ。あの森も、田んぼもぜーんぶそう。」みたいな。
田舎の農家で育った私自身も、帰省で帰ったときや旅行で田圃のある農村風景を観ると、ああ自然が!って思っていたけど
ひとつひとつの田圃や木や道は、全て先人が元ある自然を切り拓いてできたもの。その積み重ねが、今の穏やかな農村の風景を作っている。
祖父や先祖の苦労を思い胸が熱くなる。
本当の自然は荒々しいものだ。
人間の長年の工夫と努力と手前の積み重ねでずいぶん楽にはなって
その自然の威力や脅威をついつい忘れてしまっている。
現代の百姓も、天気という自然とは日々対峙しているが、
都会暮らしではそうはいかない。でもその感覚に慣れてしまうのって怖いな、と思った。
ジブリ作品の多くに共通するメッセージ。自然の美しさと荒々しさとそれに対峙する人間の業と愛しさ。本作でも存分に感じました。
主人公タエ子の小学5年生時代の記憶が
私のそれとは年代が違うので、なかなかディテールにはぴんとこなかったり、タエ子の最後の決断のあっけなさに拍子ぬけする気持ちもありつつ、だが
そう思ってしまうほど、自分の気持ちに近づけて観れてたということなのかも。本当に良い作品です。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2012年8月25日
- 読了日 : 2012年8月14日
- 本棚登録日 : 2012年8月14日
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