難しかったわ。著者は若手の社会心理学者なのだが、その著者の
博士論文を母体にして加筆された作品なのでデータ抽出の為の
数式なんかがバンバン出て来る。
この数式だとか分析に使われているソフトウエアのことがまったく
分からないのは私の頭の中身の問題。
しかも、普段、少々ふざけて読後感を書いているので、真摯に書かれ
た本書のような作品の感想を書いてもいいのかとも思うんだが…。
「朝鮮人はすべてにおいて日本人に劣っている」という古典的レイシ
ズムに加えて、在特会などが主張したありもしない「在日特権」という
現代的レイシズム。
ふたつのレイシズムがどのようにインターネット上で拡散されて行くの
かを、一定期間、Twitter上で収集し、分析している。
薄々は気がついていたのだけれど、著者の分析でも差別的発言をして
いる投稿者の数って言うのは本当は少ないのだと分かった。
リツイートなどで最初の差別的発言が拡散されたり、同じ発言が自動
敵に繰り返して投稿されたりするから「げっ、差別主義者ってこんなに
いるのかよ」って思ってしまうのかもしれない。
本書では特定のサイトの抽出だけだけれど、そんなサイトに投稿され
た発言に触発されて、それが差別的だとの考えもなしに鵜呑みにして
他のサイトで借りて来た言葉を書きこむ人がいるんだな、きっと。
実際、某所で私も目撃しているしな。在特会のデマを鵜呑みにしてい
る人の書き込みを。たしなめたら在日認定やら、非国民認定された
もの。
学術書であるので一般には理解しにくいかもしれない。多分、私も
全部は理解出来ていない。ただ、誤解やデマに乗ったまま特定の
人たちに対して憎悪を募らせる人たちが一定程度はいるんだよね。
それはストレスのはけ口なのかもしれないけどね。
しかし、いくら研究目的とは言え、罵詈雑言を集めて分析するって
苦痛だと思うわ。
- 感想投稿日 : 2017年8月23日
- 読了日 : 2016年9月14日
- 本棚登録日 : 2017年8月23日
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