社会的構築主義への招待: 言説分析とは何か

  • 川島書店 (1997年3月1日発売)
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感想 : 3

An Introduction to Social Constructionismの訳本。
言語を習得することで、自他の区別が生まれる。パーソナリティや人格が言説として表れるのではなく、言説は言説としてただあるという考え方。本質主義に対する。
社会的に流布する言説の影響により、個人の認識はそれを支持する形に歪められている(本来の認識というものがあるかは分からないが)。言説を意図的に選択することで、自分に都合のよい物語(narrative)を作る様子を研究することも含まれる。


社会的構築主義の人は以下の4つのうち、1つ以上に賛成する。

自明の知識への批判的スタンス(世界をよく見ればそのありのままがわれわれにきちんと与えられるという考え方に対し批判的・慣習的な知識の世界についての客観的で歪みのない観察に基づいている見方を疑う)

歴史的および文化的な特殊性(世界を理解する方法=われわれが使うカテゴリーや概念の特殊性)

知識は社会過程によって支えられている(知識は人びとがそれを互いに協力して構築する)

知識と社会的行為は相伴い(われわれは世界の、多くの可能な「社会的構築」について語ることができる。世界の記述ないし構築は、したがってある様式の社会的行為を支持し、他のそれを退ける=アル中は治療、酔っ払いは自己の責任なので非難する)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 社会科学
感想投稿日 : 2012年9月27日
読了日 : 2012年9月27日
本棚登録日 : 2012年9月27日

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