本書でいう「オピニオン」とは、ある体制や秩序を受容する人々の共有意思、といった意味のようだ。その担い手も対象も、時代により変化していく。
絶対王政の時代は個人としての王ではない王朝(本書では「死なない王」と表現)による統治の受容と、名誉革命のような少しの反抗。フランス革命後は担い手は平民に広がり、また徴兵により愛する祖国を守るというオピニオン(後にナショナリズムと呼ばれる)調達が必要になる。20世紀には戦争の違法化という国際秩序を支えるオピニオンも登場。
他方、著者も認めるとおりガチの政治思想史ではない。第6章で人の不死やAI兵器も出てくる。オピニオンか現実の体制か、はたまた人間の尊厳を論じたいのか、難解ではないがふわふわした感じの本だった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年6月13日
- 読了日 : 2021年6月13日
- 本棚登録日 : 2021年6月13日
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