シベリア抑留 - スターリン独裁下、「収容所群島」の実像 (中公新書)

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  • 中央公論新社 (2016年12月19日発売)
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感想 : 12

 日本人抑留者の悲惨な実態、というのを予想して読んだら少し違った。悲惨な実態は確かなのだが、本書ではより相対化している。ソ連は自国民や独軍兵も収容所に入れていたし、また独も緒戦ではソ連兵を捕虜にしていた。更に、居留民の南樺太での留用、北朝鮮での難民化も本書で取り上げている。スターリン独裁下の「収容所群島」、という副題の由縁だ。
 一方で「虜囚の辱を受けず」のような理念は独ソ両軍にもあったという。また著者は、天皇制軍隊とスターリン捕虜収容所での兵士の精神構造の類似性を指摘している。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ロシア・旧ソ連
感想投稿日 : 2018年10月25日
読了日 : 2018年10月25日
本棚登録日 : 2018年10月25日

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