日本人抑留者の悲惨な実態、というのを予想して読んだら少し違った。悲惨な実態は確かなのだが、本書ではより相対化している。ソ連は自国民や独軍兵も収容所に入れていたし、また独も緒戦ではソ連兵を捕虜にしていた。更に、居留民の南樺太での留用、北朝鮮での難民化も本書で取り上げている。スターリン独裁下の「収容所群島」、という副題の由縁だ。
一方で「虜囚の辱を受けず」のような理念は独ソ両軍にもあったという。また著者は、天皇制軍隊とスターリン捕虜収容所での兵士の精神構造の類似性を指摘している。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ロシア・旧ソ連
- 感想投稿日 : 2018年10月25日
- 読了日 : 2018年10月25日
- 本棚登録日 : 2018年10月25日
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