心はどのように遺伝するか―双生児が語る新しい遺伝観 (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社 (2000年10月20日発売)
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本棚登録 : 221
感想 : 25
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行動遺伝学の入門書。一卵性双生児に関する統計調査の重要性が強調されています。統計データの解釈に関わる部分でもありますので、取り付きにくいところもありますが、なかなか興味深い結果がたくさん紹介されています。

著者の主張は全くマット・リドレーが『やわらかな遺伝子(原題:Nature Via Nurture)』とほぼ重なるように思われます。知識能力や性格などは遺伝的要素が高いのだけれども、その発現は教育を通して顕れるのだということを強調しています(そう記述する動機はよく分かります)。いくつか参考文献が最後に挙げられているのですが、それなりに売れているマット・リドレーの著作が挙げられていないのは残念です。
また、『心はどのように遺伝するか』は疑問ありです。必ずしも心が"遺伝"するわけではない、というのは著者の主張だと思いますので。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 科学
感想投稿日 : 2009年12月26日
読了日 : 2008年7月26日
本棚登録日 : 2008年7月26日

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