ウクライナ戦記 不肖・宮嶋 最後の戦場

著者 :
  • 文藝春秋 (2022年8月10日発売)
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感想 : 8
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宮嶋さんはイラク侵攻時のバグダッドにも赴いた戦場カメラマン。ウクライナで戦争が始まると聞いて写真家 宮嶋茂樹がいても立ってもいられずに、戦場に向かってそこで見聞したことをレポートしたもの。驚くのは、日本の大手マスコミがほとんど顔を見せていなかったということ。おそらくは社員を命の危険がある場所に行かせることはできなかったのだろう。気概は買える。
ただ、もしかしたらフリーのカメラマンが行って取ってこれる情報や絵は、もはやこの時代においては昔ほどの価値はないのかもしれない、と本を読みながら思っていた。先ほど日本の大手マスコミが行っていないと書いたが、日本人がその場にいなくてはいけないということでもないのかもしれない。ウクライナに関する本としては、豊島晋作の『ウクライナ戦争は世界をどう変えたか』の方が読んでいてウクライナ戦争のことをよく知ることができた。そこで問われていることも深い。

戦争も変わるし(それほど変わっていなかったという見方もあるが)、ジャーナリズムも変わるのかもしれない。

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『ウクライナ戦争は世界をどう変えたか 「独裁者の論理」と試される「日本の論理」』(豊島晋作)のレビュー
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4046059311

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ノンフィクション
感想投稿日 : 2022年12月21日
読了日 : 2022年12月21日
本棚登録日 : 2022年12月21日

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