読書国民の誕生 近代日本の活字メディアと読書文化 (講談社学術文庫)

著者 :
  • 講談社 (2023年12月11日発売)
3.88
  • (2)
  • (3)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 169
感想 : 10
3

かつて地方の民は自由な読書ができなかった。
思想的弾圧などではなく、読書メディアが流通してこなかったから。
鉄道や郵便といった、読書メディアを運ぶ機能ができ、読者は自らが移動するようにもなり、そして「読書装置」たる図書館や新聞縦覧所などができた。こうしたことを経て、読書が日常的になる国民が生まれた、というお話。
電子書籍と紙の書籍の大きな違いって、紙はいつでも読めて、電子書籍はリーダーがないと読めない、ということだと思っていたが、かつてはその紙でさえ、流通や読書装置がなければ読む機会が得られなかったのか、というところが、当たり前ではあるが衝撃的だった。
明治からの文化記としても楽しい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 0 総記
感想投稿日 : 2024年2月6日
読了日 : 2024年2月6日
本棚登録日 : 2024年2月6日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする