原発広告

著者 :
  • 亜紀書房 (2013年9月25日発売)
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本棚登録 : 118
感想 : 18
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原発推進広告のオンパレード。よくも集めたり。しかし実際は原発広告は膨大で、本書にあるのはその一部だと。どうして寡占事業に広告がいるのか。答えは本書で。
意見広告のようでいて、反論の余地のない一方的なカネに物を言わせたやり方はどうなのだ、と、かなり前に天野祐吉さんが広告批評で原発広告をとりあげていた。ここは必見である。
プロパガンダのやり方、の本とも言える。原発業界というより広告業界(大手広告代理店)に怒りを向けたい、というのが真意だとは思うのだが。
どんな業界にしても、大きくなりすぎたところ、力を持ちすぎたところがあらわれると、あとはこうなるのだと。食品も、実のところこんな感じだろう。となると自動車やら通信なんかも危ないのかなあ。それでもって、そういう業界が頼るところが所謂デンパク、だとすると、あらゆるメディア広告は同質だ! なんてのは早合点か。
従来は、原発広告は事故のたびに増え、謹慎と復活の繰り返し。今後はどうなるのか。でもそれだけが問題ではない。
メディアと電力業界の…なんていう枠だけに押し込めて怒るんじゃあなくて、いろんなところに頭を働かせて読むべき本。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 5 技術
感想投稿日 : 2013年12月11日
読了日 : 2013年12月11日
本棚登録日 : 2013年12月4日

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