新・人間革命 (第9巻) (聖教ワイド文庫 19)

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  • 聖教新聞社出版局 (2004年11月1日発売)
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著者、池田先生(1928~2023)の作品、ブクログ登録は11冊目。(対談集を含む)

で、本作の内容は、次のとおり。

---引用開始

【新時代】
1964(昭和39)年4月、山本伸一は、師・戸田城聖の七回忌を一切に大勝利して迎え、荘厳に落成した大客殿では、その法要が営まれた。

この時を期して、学会は、仏法を本格的に社会に展開する「本門の時代」に入ったのである。

5月の本部総会では、新時代の目標として、正本堂建立、6百万世帯の達成などを発表。さらに政党の結成も視野に入れ、公明政治連盟の新段階への前進を決議する。

総会後、伸一は、直ちにアジア、オセアニアへ出発し、オーストラリアでは支部を結成。帰国直後、インドのネルー首相死去の悲報が。一日も早く、人類の融合と平和の哲学を世界に流布しなければと、伸一は誓うのだった。

【鳳雛】
6月、高等部と中等部の設置が発表され、大きな感動と期待が広がった。
まず高等部が、各地に順次結成。次いで翌年1月に中等部、同9月には少年部が結成される。

伸一は、この初々しい若木こそが、二十一世紀を担う大樹であると、矢継ぎ早に成長への光を注ぐ。ある時は「鳳雛よ未来に羽ばたけ」と指針を贈り、ある時は、直接、代表に御書講義を。またある時は、皆が喜ぶならと、何曲も何曲も学会歌の指揮をとる……。

命を削って激励を続ける師の心に触れ、鳳雛たちは尊き使命に奮い立つ。ここから、創価後継の大河の流れは一段と開かれていった。

【光彩】
青年が先駆し、広布拡大の喜びが広がるなか、6月末の学生部総会の席上、伸一は、待望の「創価大学」の設立構想を発表する。

10月、伸一は、再びアジア、そして欧州を歴訪。ヨーロッパ広布を担う、宝の同志たちを全力で激励する。初めて東欧圏に足を踏み入れた伸一は、人々の暮らしぶりから、人間性を抑圧する社会主義体制の矛盾について思索を巡らす。

伸一は、さらに北欧へ。全生命を振り絞り、一念に億劫の辛労を尽くして、一人一人への励ましを続ける旅だった。

【衆望】
世界が拍手喝采した東京五輪。日本は一流国入りをしたかに見えたが、高度成長の陰で、社会福祉の立ち遅れなど、民衆を忘れた貧困な政治が続いていた。

“政治を民衆の手に取り戻そう”——11月、衆望を担って公明党が結党。伸一は、党が権力の魔性に食い破られぬよう戒めつつ、結成大会に“民衆の幸福のため、世界の平和のため、勇敢に前進を”と祝電を送る。

12月、伸一は、太平洋戦争の悲惨な地上戦の舞台となった沖縄へ。この地から、平和の大波を起こさんとの誓いを込め、伸一は、師・戸田城聖の伝記小説『人間革命』の筆を起こす。

---引用終了


気になった箇所は、

p8 
下絵は、後に日本芸術大賞を受賞し、現代日本画の巨匠といわれる加山又造が制作し、

加山又造さん(1927~2004)が、大客殿の下絵を描いたとのこと。
大客殿は1964年に完成したようなので、当時の加山又造さんは37歳位。
若い芸術家に下絵を依頼したことがわかります。


p376~p377
結党宣言や綱領にうたっている、「王仏冥合」や「仏法民主主義」という言葉にしても、人びとの理解を得るには、長い歳月を必要とするにちがいない。
「王仏冥合」とは、一切衆生の幸福を願う仏法の慈悲や、生命の尊厳の哲理を根底にした政治であり、宗教が直接、政治権力に関与していくことでは、決してない。


公明党結党時の綱領のことが書かれています。
で、今の綱領はというと、

一、〈生命・生活・生存〉の人間主義
二、生活者重視の文化・福祉国家
三、人間と自然の調和
四、人類益をめざす地球民族主義へ
五、世界に貢献する日本
六、草の根民主主義の開花と地方主権の確立
七、民衆への献身とオピニオン・リーダー


そして、本作品の主な登場人物とモデルは、

・山本伸一---池田大作(1928~2023)
・十条潔---北条浩(1923~1981)
・正木永安---貞永昌靖(ジョージ・ウィリアムズ)。アメリカSGI理事長だった。
・原山幸一---原島宏治(1909~1964)
・原山高夫---原島嵩(1938~2008)
・小西武雄---小泉隆
・清原かつ---柏原ヤス(1917~2006)
・秋月英介---秋谷栄之助(1930~)
・関久男---辻武寿(1918~2012)
・泉田弘---和泉覚(1912~2005)

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 1964年
感想投稿日 : 2024年1月21日
本棚登録日 : 2024年1月14日

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