京都の夜、フラッシュをたかずに、満月の光だけを使って撮影された写真集です。
シャッター時間を長くすることで、月から届く小さな光を
ゆっくりゆっくり集めて一枚の写真にすることが出来ます。
私やあなたが生まれる以前からそうあったように、
満月が、この日も歴史ある京都の寺院、庭園を照らします。
この方法で驚くのは、肉眼で普段私たちが見ている世界とは、
全く違って写ることです。
やわらかな月の光は、石や花をゆるやかに浮かび上がらせ、
風がそよぎ、木々が揺れ、雲が流れます。
長時間であるからこそ、これらの自然のありさまが、
シャッターの開いていた時間の静けさを想像させてくれるのです。
夜間、神社に伺うことは、なかなか出来ません。
人の多い京都では、落ち着いてこのような雰囲気を感じる機会は
持ちにくく少し寂しいですが、おうちで虫の声が心地よく聞こえる夜は、
この月明かりの風景を本棚から手に取り耳を澄まします。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本
- 感想投稿日 : 2011年8月24日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2011年8月24日
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