ソフトウェア保守開発: ISO14764による

著者 :
制作 : ソフトウェアメインテナンス研究会 
  • ソフトリサーチセンター (2007年10月1日発売)
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本書はソフトウェアの保守プロセス (maintenance process) に関するISO標準である、ISO/IEC 14764 の解説書である。

ISO 14764はソフトウェアのライフサイクル全般を扱うISO 12207のうち、保守プロセスにフォーカスした標準である。本書ではその各プロセスやアクティビティについて、用語及び標準的な概念について説明している。
後半ではモデル事例をいくつか紹介し、ISO 14764の項目との対応が説明されている。

本標準はいままでおざなりであった「ソフトウェアの保守」に照準が当てられているのが珍しい。従来は、ソフトウェアはハードウェアと異なり経年劣化しないので、その価値は一定であると見做されがちであった。本標準では時代、法律、環境などにより、ソフトウェアが期待される機能を発揮できないことを価値の低下と定義し、その価値を維持するための積極的な取り組みとして保守プロセスについて述べられているのが新しい。

本書は標準の解説書であり、読んでいて面白いというものではないが、そこで定義される概念および用語を知っておくことには大きな価値がある。

読書状況:読みたい 公開設定:公開
カテゴリ: ITアーキテクト
感想投稿日 : 2015年2月23日
本棚登録日 : 2015年2月23日

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