分かってはいたけど、この展開は辛かった。
セドリックの奥さんへの愛が今も変わっていないし(その割に紬への想いもありそうな描写が過去あったところがまた辛い)紬は紬でそんな奥さんを変わらず愛しているセドリックだからこそ好きになったのも事実だろうし。
もどかしい!
この話、一冊分くらい引きずるかなと思っていたら、一話分で終わってしまったのも辛い。
というか、切ない。
フィクションの中でも、上手くいかないものは上手くいかないのである。
一方、地味に好感度上げてきたのは虎の方。
今のところ大きくは報われてないけれど、今回はセドリックよりは紬に尽くしていた。
諦めていなかったんだな、君よ……でも紬相手は手ごわそうだ。
それに、正直彼との未来は想像できないんだよなあ。
ここからひっくり返ってはくれないだろうか。
恋愛面はさておき、お店の方はよからぬ悪評が立ったのを紬が解決して見せたり(意外に暴力的な方法だった)一方で紬のお父さんが上京してきたり、紬の精神に負担がかかる展開が多かったような気がする。
特に父親の件は……無趣味な人の長期休み、こうなるよねと社会の縮図を見たような。
変わり種は谷中ではおなじみの霊園での怪談話。
ちゃんと現実的なオチがつくかと思いきや……冬に読むにはちょっと涼しくなりすぎる展開に。
現実的な話にこういう展開を持ってこられるのは、個人的には好きではないのですが(大体戸惑うか、世界観ぶち壊しになるので読むのを止めることが多い)この物語には合っていた気はします。
それに、幽霊大歓迎の国出身だものね、セドリック。
しかも幽霊に会いたいというのも奥さんへの愛ゆえにだからなあ……やっぱり辛い。
- 感想投稿日 : 2021年1月4日
- 読了日 : 2021年1月1日
- 本棚登録日 : 2021年1月1日
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