こども病院、と言っても、年齢は幅広い。四歳の子もいれば、高校生の子もいる。読んでいるうちに、同じ名前が何度か出てくることに気づく。そして、同じ名前であっても、学年が違っていることもある。それだけ、彼らの入院生活が長いことを物語っている。
こういった本だから、きっと健気で前向きな言葉を集めたものだろうと思っていたが、読んでみると違っていた。病気と闘う不安、焦燥、苛立ち、自分のことをうまく伝えられないもどかしさ・・・色々な感情が見える。
しかし、そんな中でも彼らは自分を幸せだと言い、自分よりも長く闘病生活を送る級友たちを慮り、自分には病気が必要だったと神に感謝し、お互いを思いやる。ほんの小さな子どもまで。
病にあってもそれに押し潰されずに、むしろお互いに心を磨き、ひたむきに生きていく姿に、心打たれた。
後半は、そんな子どもたちを見守った家族やスタッフ、そして詩を書いた当時を振り返る成長した「子どもたち」の言葉がある。
この詩画を書いた子どもたちの中には、退院して成長した子もいれば、亡くなってしまった子もいる。家族やスタッフの言葉を読みながら、それぞれの「命」を想う。
あとがきの医師の言葉に、医療の原点を深く考えさせられた。
レビュー全文
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タ行
- 感想投稿日 : 2016年1月30日
- 本棚登録日 : 2016年1月30日
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