稲盛和夫の実学―経営と会計

著者 :
  • 日本経済新聞出版 (2000年11月7日発売)
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本棚登録 : 4212
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稲盛和夫がどのように会計を考えているかを語った本。
実態の把握が難しくなりがちな会計の従来の手法に対して疑問を持ち、会社独自の手法を一部採用して対処しているというのが新鮮だった。
今簿記で机上の会計手法の基礎を学んでいるわけだけれども、それが実際にどのように運用されているかというところは疑問を持ちつつ注視することが大事だろう。

自社の購買発注の体制に関して疑問に持っていたところが一部解決されたのは意外なところだった。

稲盛和夫の経営は正直経営ともいうべきところで、嘘偽りのないこと、というところを根底に置いているように思う。とても立派な人だと思う。ただ、あまりにも立派すぎてちょっと引く時もある。

「そもそも資本主義社会は、利益を得るためなら何をしてもいい社会ではない。参加者全員が社会的正義を必ず守るという前提に築かれた社会なのであり、厳しいモラルがあってこそ初めて、正常に機能するシステムなのである。」
ここら辺の主張は綺麗すぎてほんまか?という感じ。前作の生き方でも感じたが、稲盛和夫の言うことは聖人君主のようで少し疑いの目を向けてしまう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2020年12月17日
読了日 : 2020年12月17日
本棚登録日 : 2020年12月2日

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