民俗学的な要素があるものが好きだと言ったら友人が勧めてくれた作品。
丸神の里にしか伝わらない能力、手が届くものと窓の外が見えるもの。
村の人間は能力(手が届くもの)を怖れているけれど、南丸は有効に使えないかと思案する。能力を持っていたとしても、あくまで道具であると言い切れる南丸とそうではない人々。植え付けられた畏怖は多くの大人達の中にこびりついている。本人達はそのコミュニティが如何に狭いかに気が付かない。
この村にいなくたって、誰だって狭い世界で、何かに囚われながら生きているのかもしれない。でも中にいるとそれに気づきにくい。南丸は見方を変えなさい、もっと広く世界を捉えなさい、と言う。
りんごの国だと、主人公は続く連鎖を止めようと必死になる訳だけど、こっちは受け入れて利用しようとするアプローチの違いが良い。
村の人は結局失われた丸神山をすぐに元に戻して、祭りも行うエンドがかなり好き。そう簡単になかったことにはならないもんね。
力を使い続けたときの、【神のようなもの】に近づいていくデザインが好き。力を使わないと印が消えていくのはうーん、って感じだったけどまあ細かいことはいっか。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2024年1月30日
- 読了日 : 2024年1月30日
- 本棚登録日 : 2024年1月30日
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