「悩む力」の続編です。著者の斎藤道雄さんが10年の年月をかけて「ベてるの家」の人たちのことを「わかろう」と歩いた道のりで、出会った人たちの「ほんとうのこと」が記されています。
斎藤道雄の二冊の著書を読みながら、ずっと考えていたことがあります。それは一言で言えば、
「ぼくはどんな顔をしてこの本を読み終えればいいのだろう。」という問いです。
で、この本の最終章を読みながら、ホッとしました。
ジャーナリスト斎藤道雄自身も、「しあわせにならない」という生き方をする人間たちを前にして、たじろぎながらも、敬意をもって、そして執拗に「わかる」ことに迫ろうとしていたのだと感じたのです。
「悩む力」にしろ本書にしろ、下手をすればスキャンダラスな見世物記事になりかねないドキュメントなのですが、著者自身の「人間」に対する姿勢が、見ず知らずの人間が手に取り、胸打たれながら読むことを、自然に促す「名著」を作り上げていると思い至ったのでした。
ブログにあれこれ書いています。よろしければ覗いてみてください。
https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202108080000/
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
医学・精神病理・心理・脳科学
- 感想投稿日 : 2021年10月22日
- 読了日 : 2021年8月7日
- 本棚登録日 : 2021年8月7日
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