ロンドン・コーリング

アーティスト : ザ・クラッシュ 
  • Sony Music Direct (2005年11月22日発売)
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感想 : 9
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80年代最高のロックアルバムとは何か? マドンナ? マイケル・ジャクソン? じゃなくてクラッシュの「ロンドンコーリング」なのだよと判断したのはアメリカのローリングストーン誌。まあRS誌が正しいかどうかはあれなんですが・・・

結構この辺は同時代で聞いてました。80年代初頭ですか・・・印象としてはそれまでのクラッシュのタテのりが横に広がったなーという感じでした。それと音楽的表現の幅の広さにとにかく驚きましたね。
ただ、こういうのはプロデューサーのサジェスチョンひとつというか、とにかくパンクバンドなんて、どれもこれも演奏は下手で、レコードを聴くとなんだかやけにうまいなーと思うことしばしばだったんで、誰がホントは演奏してんだか、もしかしたら曲作ったのも本人たちじゃねーんじゃねーの?ぐらいに疑り深い俺なんかは思ってしまっていて、それは実を言うと今でもそうなんですよね。
で、こういうこと書くと、クラッシュファンは多分猛反対するんだろうが、じゃあジョーストラマーとミック・ジョーンズが曲作ってるとこ、見たことあんのかよ、クラッシュのレコーディングしてるとこ見たことないだろとちょっと突っ込みを入れたくなってしまう。

とにかく、このアルバムでクラッシュがガラッと変わっちゃったのは確か。その代わり身の凄さには本当に当時はびっくりしたもんです。で、なんだかんだ言いながら、このアルバムはクラッシュの4人が下手な演奏をカバーするがために創意工夫しつつ作り上げた紛れもないロックアルバムであり、純粋な創造物なのだと信じたい気持ちのほうが強いんですけど。

ただ、レニー・クラビッツのアルバムやら、ニルヴァーナ「ネヴァー・マインド」にしても、その当時の最新のレコーディング技術と機材を使って録音されているのだ、という事実には誰も異論はないはず。
実を言うと最初に買ったのは「ロンドンコーリング」のシングル版だったんですが、最初聴いたときはその音のよさに感動しましたよ。これがパンクか!と。

あと、雑多な情報ですが、そのシングルのB面に「ハルマゲドン・タイム」っていう曲があったんですが、これはアルバムのほうには入ってない。オウム事件が起こる前から「ハルマゲドン」っていう言葉をここで学習してましたね。まあ、中学の英語で習うような言葉じゃないです。

あと、ジャケットはプレスリーのアルバムのパクリです。ただ、この場合のパクリっていうのは、ただ闇雲にパクってるって言うことではなく、そこには何らかのメッセージがあった、っていうか、アンディー・ウォーホール以後なんで、こういったコラージュ表現も表現の一つとして確立されていたということでしょうか。さらにいうとなんせパンクなんで、俺たちはプレスリーじゃねーんだという挑戦的な意味合いもあったんだろうと思う。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: ロックCD
感想投稿日 : 2007年1月16日
本棚登録日 : 2007年1月16日

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