実は愛らしく、悲惨で可哀想な運命を背負ったマリー・アントワネット...
という雰囲気が昨今になって世間に浸透しつつあるようですが...こちらはちょっと違います。わがままで、贅沢で、革命が起こった後も宝石や身の回りのものを持ち出すことで頭がいっぱいです。王妃なのだから当たり前ですが、いろんな人を扱き使いまくり。
といっても、それ自体が★-1になった原因ではありません。
アントワネットは美人系ではなく可愛い系の女優さんの方が個人的によかったかなぁ、と思います。主人公の女優さんは華がなく目立つほどの美人ではありませんが、化粧気がなく王妃との対比が分かりやすいと思います。
ただ...
フェルゼンはどうしたのか(そもそも登場しません)?主人公の朗読係がキスしていた彼はどうなったのか?など、不満もありました。朗読係など王宮メインなので革命の様子も王宮目線で、民衆の様子も分かりません。それに、個人的には女性の三角関係が目立ちすぎて、観ててめんどくさかったです。
それと、これで終わり?感があります。主人公が朗読係なので仕方ないんでしょうが...「あとは史実を思い浮かべて想像してください」という感じです。
しかし、王が民衆に襲われ帰ってこられないかもしれないと分かった時のアントワネットの取り乱しようと涙。子供を抱く姿。王宮の暮らしぶり。愛する夫人に捨てられたことも分からず、助けようと主人公の朗読係を身代わりにする愚かさ。
アントワネットに心酔していた朗読係の主人公が、愛するポリニャック公爵夫人に捨てられたアントワネットに捨てられ、自らも捨ててただの人になる。
素晴らしかったです。
- 感想投稿日 : 2014年9月30日
- 読了日 : 2014年9月29日
- 本棚登録日 : 2014年9月29日
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