沈黙の山嶺(上) 第一次世界大戦とマロリーのエヴェレスト

  • 白水社 (2015年5月26日発売)
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執筆期間10年(翻訳に2年)圧巻の傑作
様々な人の戦争と日常が交錯する、映画「ディア・ハンター」みたいな構成が、物語を全く飽きさせなることなく読ませてくれる

・第一次世界大戦における西部戦線の実態
・イギリス・インド・チベット外交史の人間臭さ、帝国主義的傲慢さ
・都合3回に渡った、エベレスト登山隊の詳細な、詳細すぎる活動記録
・登山隊に加わったメンバーのみならず、多数の関係者の日記や書簡を隅々まで徹底的に渉猟して調査し、事実関係や証言の誤謬、勘違い思い込みなどを考察し、当時生きていた人々(主にイギリス人ジェントルマン)が、何を考え感じていたのか、迫真に迫る再現性を実現
・結局、ジョージ・マロリーは、どうなったのか?おそらく、これしかないという結論を提示
・登山隊に参加したメンバーのそれぞれの人となりが面白すぎる。凄すぎる。全く飽きさせない。これが本書の最大の魅力。

などなど...、とても言葉では言い尽くせないほど、質と量に圧倒されまくってしまった作品

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年6月16日
読了日 : 2023年6月15日
本棚登録日 : 2023年6月15日

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